松島湾に浮かぶ大小260余りの島々と豊かな森林が調和した風光明媚な風景が魅力の松島は、京都府丹後の天橋立、広島県安芸の宮島とともに日本三景に数えられる東北きっての観光名所。松尾芭蕉の旅日記『おくのほそ道』にも登場する地としても知られ、いにしえの都のようなどこか懐かしい趣と美しさが旅情を誘う。
■松島海岸
透かし橋(すかしばし)を渡った先に立つのが松島のシンボル「五大堂」。大同2年(807年)に建立され、現在の建物は伊達政宗が桃山式建築手法で再建したもので、国の重要文化財となっている。松島海岸は朝日も見もの。西行戻しの松公園は背後地の中で一番眺望が良く荘厳なご来光を目の当たりにできる。
●問い合わせ022ー354ー5708(松島町産業観光課観光班)
伊達政宗の菩提寺である瑞巌寺の隣、「円通院」は政宗の嫡孫・光宗を祀る寺院。名庭園としても名高く、国指定重要文化財「三慧殿」をはじめ、枯山水の七福神庭園、バロック調なバラの庭、禅林瞑想の庭など趣向の異なる庭が点在。秋は紅葉も見事で、ライトアップにより幻想的な雰囲気を醸す。
■円通院
拝観料は大人300円、高校生150円、小・中学生100円。山門を入ってすぐ左には良縁のための「縁結び観音」があり、縁結びこけし(1体500円)にペンで願い事や名前を書き込み、本尊に祈願奉納できる。
●松島町松島字町内67 022ー354ー3206 4~11月8:30~17:00、12~3月9:00~16:00 無休
松島公園から徒歩で約5分、「松島さかな市場」は国道45号から1本入った広大な敷地に構える2階建ての市場。気仙沼で6隻の大型マグロ船を操業する船元が経営しているだけあって、品揃えと鮮度の良さは抜群。産地直送の活・鮮魚から加工品まで1500種類以上の海産物を取り扱い、地域住民や北関東からの買い物客も多いという。また、寿司やラーメンなど地場産食材ふんだんなご当地グルメも充実している。駐車場内には松島特産のカキが食べ放題の「焼がきハウス」も併設。生産者が手塩にかけて養殖する身は甘く濃厚な味わいで、10月から3月が旬のため、まさにこれからがシーズン。焼きたて熱々のカキを思う存分堪能したい。
■松島さかな市場
「松島かきバーガー」(350円)は特産のカキとベシャメルソースを合わせたクリームコロッケをサンドした人気メニュー。もっちりとした食感の米粉バンズも宮城県産ササニシキが原料で、まさにご当地グルメと言えるだろう。
●松島町松島字普賢堂4ー10 022ー353ー23188:00~17:00(食事受け付けは1Fが8:00~15:00、2Fが10:00~15:00) 無休 P有り