日本最古のソメイヨシノやヤエベニシダレなど52種、約2600本が咲き誇り、日本屈指の桜の名所として名高い弘前公園。さくらまつり期間中は全国から花見客が訪れ、賑わいを見せる。市民のシンボルである弘前城をはじめ、園内には藩政時代の面影を残す櫓や城門など貴重な遺構が要所に点在し、当時の姿を今に伝える。現在は弘前城本丸の石垣修理工事のため天守を本丸中央部へ約70メートル移動させており、平成33年予定の曳き戻しまでは、今しか見ることができない風景を楽しめる。
■弘前公園
弘前公園の正面玄関とも言える「追手門」は藩政時代も長い間正門として使われていたという。濠(ほり)にかかる真っ赤な杉の大橋は、木々の深緑とのコントラストが目を引きつける。入園は無料だが、「弘前城本丸・北の郭」と「弘前城植物園」は有料区域となっている。
●問い合わせは☎0172ー33ー8739(弘前市役所公園緑地課)
桜とともに弘前の代名詞ともいえるのが日本一の生産量を誇るリンゴ。リンゴ畑が広がるアップルロードやリンゴをモチーフにしたカーブミラー、ポスト、マンホールなどが街中をかわいらしく彩る。JR弘前駅から車で約20分の場所にある「弘前市りんご公園」は触れて、学んで、遊べるリンゴのテーマパーク。農作業体験や市場には少ないさまざまな品種も鑑賞でき、岩木山を眺望する展望台や江戸時代の農家を再現した「旧小山内家住宅」などを設置。「りんごの家」内にあるショップには1250種類ものリンゴグッズを揃える。
■弘前市りんご公園
標高83メートルの「すり鉢山展望台」はりんご園の全景から岩木山や弘前市内、白神山地、八甲田連峰まで一望。りんご収穫体験(有料)はその時期によって収穫する品種が変わる。入園料は無料。
●弘前市清水富田字寺沢125 ☎0172ー36ー7439 9:00~17:00(りんごの家・旧小山内家住宅) 無休 P有り
街中に残る西洋文化 洋館めぐりで レトロ散策を
旅先で気になるグルメの一つ、ご当地ラーメン。弘前・津軽地方といえば煮干しベースの中華そばが主流だろう。観光客にも人気の「八助」は「コクにぼし」「濃厚魚節」「にぼし中華」などさまざまなメニューを提供。おすすめは、たっぷりの煮干しと豚骨をじっくり煮込む「特撰煮干」。一口すするだけで煮干しの強い味と香りが一気に押し寄せてくるスープは独特の酸味も相まってクセになる味わい。ここは麺にもこだわり、最近、札幌市の横山製粉から仕入れる北海道産小麦の特注麺に変更。小麦の風味を感じるもっちりとした歯応えでパンチのあるスープとも良く合う。太麺と細麺から選べるのでお好みで。
旧弘前市立図書館や藤田記念庭園洋館など明治時代の洋館が残るこの街で、県重要文化財「旧東奥義塾外人教師館」の中にあるのが「サロンド カフェ アンジュ」。1階の展示室をそのままの雰囲気を生かしつつ喫茶室として11年前にオープン。窓から見える追手門広場には、明治から大正にかけて実在した建物のミニチュア建造物14棟がずらりと並ぶ。手で丹念に仕込む名物のアップルパイを始め、津軽リンゴを用いた自家製ケーキが評判で、閉店前になくなることもしばしば。また、市内にあるフランス料理店が本店のためランチコースも用意。落ち着きのあるレトロな空間でのんびり優雅にカフェタイムやフレンチを愉しみたい。
■八助(やすけ)
「特撰煮干」は並750円。食券を購入し注文するスタイルで1人客も多い。
●弘前市城東中央3ー1ー15 ☎080ー5568ー4453 11:00~14:30、17:00~20:00頃(水曜は14:30まで、土・日・祝日は11:00~スープがなくなり次第終了) 木曜定休(祝日の場合は営業し、水か金曜休み) P有り
■サロン ド カフェ アンジュ
「アップルパイ」(300円・税別)は栄黄雅(えいこうが)という津軽限定リンゴを使用。バターたっぷりの香ばしい生地にリンゴの甘みが絶妙なハーモニー。ランチタイム(11:00~15:00)はフレンチコースも提供する。
●弘前市下白銀町2ー1 旧東奥義塾外人教師館1F ☎0172ー35ー7430 9:30~18:00(12~4月中旬は10:00~16:00)※各30分前L.O 無休(年末年始は休み)
■旧弘前市立図書館
「旧東奥義塾外人教師館」のすぐ隣にある観光客に人気の洋館。明治39年(1906年)に日露戦勝記念として建てられたルネッサンス様式の建物で、左右にある八角形のドーム型双塔や屋根飾りなど、当時の洋風技法水準の高さを感じさせる。入館料は無料で自由に見学できる。
●弘前市下白銀町2ー1 問い合わせは☎0172ー82ー1642(弘前市教育委員会)9:00~17:00 無休