平安末期、東北の政治・文化の中心として栄えた平泉。仏教の浄土を表現した寺院や庭園が並び、奥州藤原氏三代がおよそ100年に渡って築いた平泉の文化と栄華盛衰の歴史を今に伝える。平成23年にユネスコの世界遺産に登録された「平泉の文化遺産」は中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の五資産で構成される。いにしえに思いを馳せながら貴重な平安美術や遺跡をゆっくりと鑑賞したい。
■中尊寺(平泉町)
金色堂新覆堂と本堂。国宝・金色堂は堂全体が金箔で飾られ、12世紀の阿弥陀堂建築の最高傑作と言われる。拝観料は大人800円、高校生500円、中学生300円、小学生200円。
●西磐井郡平泉町平泉字衣関202 0191ー46ー2211 3月1日~11月3日8:30~17:00、11月4日~2月末日8:30~16:30 無休 P有り(有料)
『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』…日本を代表する童話作家・詩人である宮沢賢治の故郷・花巻市。画家の萬鉄五郎や彫刻家で詩人の高村光太郎、前5千円札の肖像だった新渡戸稲造など花巻ゆかりの偉人が多く、それらにちなんだ施設や記念館は観光スポットとして人気が高い。また奥羽山脈の渓谷沿いに湧き出る花巻温泉郷は東北有数の温泉地としても知られ、湯治場風情の残るひなびた温泉からモダンなリゾート系ホテルまでバラエティー豊か。
■宮沢賢治記念館(花巻市)
昨年、展示をリニューアル。スクリーン映像や関係資料、愛用品を展示し、宮沢賢治の世界観を表現。生誕120周年企画も随時実施中。入館料は一般350円、高校生・学生250円、小・中学生150円。駐車場内には『注文の多い料理店』にちなんだレストラン「山猫軒」もある。
●花巻市矢沢1ー1ー36 0198ー31ー23198:30~17:00 無休(12月28日~1月1日は休館) P有り
柳田國男の説話集『遠野物語』の舞台となった遠野市は、河童や座敷童子が登場する「民話」で有名な地域。そんな伝承や伝統が根付き、ゆっくりとした空気が流れる。「遠野ふるさと村」は、昔ながらの遠野の山里と農村風景を再現した施設。江戸末期に建てられた肝煎りの家や川前別家など茅葺屋根の曲り家が移築保存され、田んぼや畑で農作業体験ができる。守りっ人(まぶりっと)のおじいちゃん、おばあちゃんたちのもてなしにも心がほっこりとする。
■遠野ふるさと村(遠野市)
村内には遠野の文化と伝統を守る人「守りっ人(まぶりっと)」の衆が常駐し、気軽に会話も楽しめる。入村料は一般540円、小・中・高校生320円。今年度は20周年を記念し、20歳の人は入村料が半額になる。
●遠野市附馬牛町上附馬牛5ー89ー1 0198ー64ー23003~10月9:00~17:00(入村は16:00まで)、11~2月9:00~16:00 無休 P有り