5×2㎝のガラスで診る
「病理検査」と聞いてピンときた方!それはご自身が検査を受けられたか、相当医療に詳しい方です。「病理検査」というのはとても目立たない、いわば「縁の下の検査」です。でも、とても重要な検査ですので、今回はその重要性についてご紹介できればと思います。
病理検査と一口に言っても、その中でも「組織診断/細胞診断/病理解剖」という大きく3つの枠組みに分かれています。ざっくりと言えば「身体の中で起きていることを調べる」検査です。主なところは「がん細胞がいるかどうか」という検査なのですが、そのほかにも炎症の存在であったり、がんだけではなく身体に異常がないかどうかを検査しています。
その検査方法とは約5×2㎝のガラスプレパラートに患者さまの身体の一部(胃や皮膚、尿など)を載せて、特殊な染色をし、顕微鏡を使って詳しく検査します。細胞診検査では1枚のプレパラートに、部位にもよりますが1万個ほどの細胞が載っており、それらをすべて観察します。組織診断では細胞の塊(組織)として観察します。細胞診検査では臨床検査技師の中でも「細胞検査士」という専門資格、組織診検査では医師の中でも「病理専門医」という専門資格を持ったプロが担当しています。時には「術中迅速診断」といって手術中にリアルタイムで検査することもあります。身体のどの部分も病理検査の対象になるため、大きな病院であれば病理診断科は設置されております。病理担当スタッフは患者さまとお会いする機会はほとんどありません。しかし、影ながら患者さまの健康に貢献できるよう日々精進しております。
病理検査は目立ちませんが現代医療の根幹をなす検査であり、今後は遺伝子検査なども含めて、より重要になってくる検査分野です。私たちは今後も安心して患者さまが治療を受けられるよう、正確な診断結果をもって医療に貢献していきます。
(ハコラク 2022年5月号掲載)
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