道内7空港を運営する北海道エアポート(HAP、千歳市)が公表した、函館空港の2024年度の国内・国際線を合わせた旅客数によると、同空港の乗降客数は前年比12・1%増の186万9726人となった。新型コロナウイルス禍の影響が薄れたことに加え、函館が舞台の映画なども好影響をもたらしたとみられる。
国内線の旅客数は、同9・1%増の171万2961人。増加の要因として、HAP函館空港事業所はは函館が舞台となった映画「劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の公開で聖地を巡るファンの来函が増加したことを挙げ、「映画の公開は乗降客数の増加に一定程度のプラスの効果があったのでは」としている。
国際線の旅客数は、同59・4%増の15万6765人と、利用者数が大幅に伸びた。24年2月から函館―台北(桃園)にスターラックス航空が就航し、23年5月に運航を再開したタイガーエア台湾の便と合わせ、同一路線に航空会社2社が運航する「ダブルトラッキング化」が実現したことが数字に表れた。
函館空港の国際線には、今年6月から、韓国・仁川(インチョン)との間に、韓国の格安航空会社チェジュ航空が就航する。12年に大韓航空が運休して以来13年ぶりの直行便再開となることから、訪日観光客に加え、函館から仁川空港を経由し、欧米などへ海外旅行に出掛ける需要も高まるとみられ、国際線の一層の利用増加が見込まれている。
同事業所は「新型コロナウイルス禍の影響が薄れ、国内線・国際線とも旅客需要が増加した」とみており、「今年度は6月からANA(全日空)が函館空港でのナイトステイ(夜間駐機)を開始し、函館―羽田線が8往復から9往復へ増便することから、さらに旅客数が増えるのでは」と期待を寄せている。(市丸和秀)