【松前】道南の高校書道部の生徒が音楽に合わせながら、オリジナルの書作をしたためる「第13回金子鷗亭記念書道パフォーマンス」(文化の香り漂う書のまちづくり推進協議会主催)が10日、松前町民体育館で開かれた。生徒たちは豪快に大筆を走らせ、日ごろの鍛錬の成果を披露した。
町出身の書家、金子鷗亭にちなみ2011年から開催している。今年は地元の松前をはじめ福島商、大妻、市立函館、江差、遺愛、函館中部、桧山北、函館商、函館西の10校に加え、松城小、松前中が特別参加した。
各校とも縦4メートル、横6メートルの紙に「衝撃」や「鼓舞」など大作を制作。生徒たちは大筆を振るって思い思いの言葉や文章をしたため、ダンスを交えたり、言葉を横書きに書くなど趣向を凝らしたパフォーマンスを繰り広げた。クルリと回転しながら大筆を操ったり、跳ね上がって一筆を振るうなど、躍動感あふれるパフォーマンスに観客も拍手を送ってたたえた。
「ワタリドリ」の曲に乗せ、力強い筆致で「翠囀る(かわせみさえずる)」を書き上げた松前高書道部部長の吉田海奈さん(18)は「自分自身の出来に不満は残るが、このメンバー(6人)でやる最後のパフォーマンスだったので楽しく終えることができた」と笑顔を見せた。
創玄書道会理事で、書創社会長の滝野喜星氏が来場し、各校のパフォーマンスを講評。終了後は揮毫(きごう)を披露し、卓越した筆さばきで生徒や観客を魅了した。(鈴木 潤)