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ドクターコラム/くがメディカルクリニック 院長 久我貴さん

 胃がんとピロリ菌の密接な関係
 ー内視鏡検査とピロリ菌検査の重要性ー

 日本人の胃がん罹患数は2019年9月の時点で部位別2位と高い状況にありますが、その原因の1つとしてピロリ菌(ヘリコバクタ・ピロリ)の胃粘膜への感染が挙げられます。ピロリ菌の慢性感染により、慢性炎症(慢性胃炎)が引き起こされます。慢性胃炎の中で鳥肌胃炎という特に若い女性に見られる内視鏡像は、ピロリ菌感染胃炎の中でも特徴的とされています。慢性胃炎が進むと粘膜の腺組織が減少し、粘膜が薄くなり萎縮性胃炎という状態になり、さらに進行すると胃がんを発症することが分かっています。10年の経過でピロリ菌感染者のうち約3%が胃がんを発症する一方、ピロリ菌の非感染者からの胃がん発症は1人もいなかったという報告があります。このことからも胃がんとピロリ菌は密接に関係していることが分かります。
 胃粘膜の状態は、胃内視鏡検査によってすぐに診断出来ますし、ピロリ菌感染の有無については、内視鏡検査をはじめ、抗体判定、培養法、ウレアーゼ試験、尿素呼気テストなどで調べられます。ピロリ菌に感染していることが分かった場合、特に慢性胃炎のある方は、必ず除菌することが推奨されます。除菌することで胃がんの発生率を1/3に抑制出来ることが分かっています。また、30歳未満ではほぼ100%胃がんを予防出来ることが知られています。私の所属している渡島医師会では、将来的な胃がんの撲滅を目指し、渡島管内(函館市を除く)の中学2年生全員にピロリ菌検査を行っていました。胃がん撲滅には、渡島医師会で行っていたように一定年齢の時点で新規にピロリ菌感染者を検出し治療すること、既感染の中高年者に対する除菌治療と、その後のフォローアップとしての定期的な内視鏡検査が重要です。このようにピロリ菌の除菌は胃がん発症のリスク軽減に効果があることは明らかですので、内視鏡検査、ピロリ菌検査は、ぜひとも行っていただき、適切な治療と経過観察を受けていただきたいと考えています。
(ハコラク 2020年11月号掲載)


略歴
札幌医科大学卒業後、埼玉県立ガンセンター血液科、旭川赤十字病院勤務を経て、興部国保病院で院長を務め、平成18年、くがメディカルクリニックを開院。

くがメディカルクリニック
森町森川町278‐85 
☎01374‐2‐2039 
http://kuga-medical.com/







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