変わらぬ味を届け続ける函館で一番古い豆腐店
明治初期に創業した「佐々木豆腐店」は、函館市内で営業する豆腐店の中で最も長い歴史を誇り、現在、5代目の佐々木孝さんと妻の真実子さんが店の看板を守っている。孝さんは苫小牧で会社勤めをしていたが、両親が体調を崩し閉店の話が持ち上がった時、「この豆腐屋が無くなるのは寂しい」と一念発起して店を継ぐことを決意し2001年に帰函。父と叔父の力を借りて技を身に付け、昔ながらの製法で早朝から豆腐作りに精を出す。販売しているのは、絹のように滑らかな舌触りの「木綿豆腐」をはじめ、ふっくらとした「油揚げ」、「おから」や「豆乳」など。孝さんは「自分が納得できる豆腐を生み出すのは難しい」と話し、ブレずに店の味を提供するため〝前日の豆腐のでき〟を基準に、産地の異なる大豆の配合や水に浸す時間、にがりを入れるタイミングを、経験と勘を頼りに気温も加味し少しずつ調整。コツコツと地道に、小さな工夫を積み重ねる毎日が、今に続く歴史を作り上げている。
(ハコラク 2022年 2月号掲載)
佐々木豆腐店
函館市宝来町4‐10
☎0138‐22‐6732
7:30~
※豆腐が無くなり次第終了
日曜定休