魂を込めたコーヒーが訪れる人たちの原点の味に
41年前、函館市宮前町で創業した「喫茶パレドール」は、白鳥町に移転し今年30周年。現役で動くレトロなテーブルゲーム機や店名が刻印されたガラス製の仕切…2代目の若林剛史さんが父・祝夫さんから受け継いだ古き良き昭和の雰囲気をそのままに伝えている。若林さんは、「コーヒーは入れる人の〝呼吸〟が大切」と言い、湿度や気温を見極め、焙煎控えめで苦味を抑えた豆から、芳醇な甘みとクセになる酸味を引き出している。昔ながらの「焼きサンド」や白と黒の組み合わせが好きという若林さんのイメージから生まれた「コーヒーゼリーパフェ」も人気。ほとんどの客がカウンター席で過ごし、こだわりの味を楽しむひと時は知らない人同士も自然に親しくさせるという。「マスターがいつも変わらない味と落ち着いて話せる空間を作ってくれ、年代を問わず来る人の原点になっている」と常連客。「おかえりなさい」「いってらっしゃい」、そんな言葉が日常のこの店は、味わい深いコーヒーのように人々を惹きつけている。
(ハコラク 2020年5月号掲載)
喫茶 パレドール
函館市白鳥町13‐23
☎090‐5955‐4156
9:00~17:00
日曜定休 禁煙 P有り