素材の風味豊かな出来たての味を 少量ずつ手作りで日々守り続ける
「冨士冷菓」の店の奥にあるアイスクリーム製造場を訪ねると、ふんわりと日本酒の香りが漂ってきた。天然素材にこだわるアイスクリームの味を2代目として守る中村久仁子さんと夫の彰宏さん。純米大吟醸「獺祭」の搾りたての酒粕を練りこむアイスをはじめ、どれも時間をかけてアイスクリームのベースを低温で加熱、殺菌、冷却し、少量ずつ手作りすることで風味豊かな味に仕上げていく。1947年の創業当時は、映画館などでアイスキャンディーやソフトクリームを販売。その後飲食店のデザート用アイスの製造を担い、35年ほど前から小売りも行うように。乳脂肪分の高い道産牛乳や生クリームに加え、卵を使わず練乳でコクを出すのが変わらぬ店の味。シンプルな材料で作るアイスクリームは濃厚な味わいにさっぱりとした後味が特徴で、食欲が無い時にも「ここのアイスは食べられる」と毎週買い求める客もいるという。中村夫妻は「続けていけることが宝」と話し、一口食べれば懐かしさ溢れる味を日々届けている。
(ハコラク 2019年7月号掲載)
ホームメイド
アイスクリーム&シャーベット
冨士冷菓
函館市大森町18‐15
☎0138‐22‐3819
10:00~18:00
木・第4月曜定休