糖尿病の正しい知識を身につけ偏見をなくそう
多くの糖尿病(2型糖尿病)が発症する原因は、生活習慣の乱れ(暴食、おやつ習慣、運動不足、ストレス過多)と糖尿病を発症しやすい遺伝子を持っていることであると分かっております。今まで多くの糖尿病(2型糖尿病)は薬物療法による治療を開始すると、永続的に使用しなければならないと言われてきました。しかし、糖尿病を発症早期に治療する事で、寛解という状態に戻せることが分かりました。糖尿病における寛解とは、薬物治療をせずに、食事・運動療法を行うことで、通常の生活が送れる事を意味します。糖尿病の発症初期は、ほとんど自覚症状がありません。ご自身の今の血糖値を定期的に知る事が大事だと思います。
この10年で薬物治療の選択肢も広がり、薬剤を減らせる治療も可能な時代になりました。また、患者さんによって、血糖値の上がり方は違いますが、個々の血糖変動に適した治療が選択できるようになりました。ライフスタイルに合わせた治療もできる時代になりました。例えば、1週間に1度すれば良い内服、注射があります。1週間に1日だけ、薬物療法に集中し、ほかの6日間は、食事・運動療法だけ頑張る、忙しい方にはおすすめの治療です。全ての患者さんには使用できないので、主治医の先生に相談してください。
1型糖尿病の治療の最新情報ですが、膵臓のiPS細胞の開発が進み、数年後には使用できる段階に来ております。つまり、1型糖尿病治療の根絶ができる時代になります。1日も早くiPS細胞移植治療が導入されることを期待しております。
糖尿病という言葉は皆さまが知る言葉になりましたが、贅沢病だ、怠け病という間違った認識があるのも事実です。お恥ずかしながら、医療従事者の多くの方々も間違った認識を持っているのが現状です。糖尿病は誰しもなる可能性があります。糖尿病にて起きる偏見、差別を減らすために、みんなで勉強していく事が大事だと思います。
(ハコラク 2022年1月号掲載)
略歴
平成12年、川崎医科大学卒業後、山口大学医学部第三内科入局。河北総合病院内科、国立国際医療研究センター、東京大学医学部附属病院などの勤務を経て、令和2年、たかさわ糖尿病内科クリニックを開業。日本糖尿病学会糖尿病専門医。
たかさわ糖尿病内科クリニック
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■診療科目/糖尿病内科・内科
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