虫歯は早く治しましょう
虫歯はプラーク(歯垢)の中の虫歯菌が食べ物の中の糖分を栄養にして酸を発生し、歯の弱い部分を溶かしていく病気です。人は飲食をするとその直後に口の中の虫歯菌が糖分を栄養としてプラークを形成するとともに、酸をつくりプラークが酸性になります。その際、歯の表面のカルシウムやリン酸などのイオンが奪われ、歯を溶かしていく脱灰反応が起きます。しかし、同時に唾液により酸が中和され、カルシウムやリン酸のイオンが再び歯の表面に戻ってくる再石灰化反応が起きます。このように飲食後のお口の中では、毎回脱灰反応と再石灰化反応が繰り返されていますが、脱灰が優勢になり再石灰化が追い付かなくなると、歯の質の弱い部分から徐々に欠損をつくり虫歯になってしまいます。
歯科治療で、虫歯を取ったり歯が欠けたりすると、詰め物や被せものをする必要があります。比較的範囲が小さいと歯科用のプラスチックを詰めるだけで、すぐに治療が完了する場合があります。しかし、それでは強度的な問題などで対応できない場合、詰め物を作る必要があります。従来では歯形をとり模型を作り、専門の歯科技工士が試行錯誤しながらなど、人によるプロセスが多いため、完成の歯ができるまで数日を要しておりました。しかし、近年、口腔内スキャナーと呼ばれる小さな光学カメラにより歯の写真を撮り、その写真を基にコンピューター上で詰め物の形を設計し、ミリングマシンと呼ばれる精密加工装置により専用のセラミックなどの材料を削り出して製作し、数時間で完成することができるようになりました。
これらにより嘔吐反射が強い方は型取りが無いので安心して処置が受けられます。また、即日で治療が完了することが可能なので、急ぎで歯を治したい方にも対応できるようになりました。詳しくは、かかりつけの歯科医院などにお問い合わせください。
(ハコラク 2021年7月号掲載)
略歴
平成10年、日本歯科大学新潟歯学部を卒業し、平成14年、日本歯科大学大学院卒業(歯学博士号取得)。大学病院・東京での勤務医を経て平成18年に西巻デンタルオフィス五稜郭を開院。平成15年から日本歯科大学新潟歯学部歯科補綴学第一講座非常勤講師を務めている。
西巻デンタルオフィス五稜郭
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