災害時に医療活動を続け、町を支えるそれが災害拠点病院です
地震、津波、台風、河川の氾濫、噴火、日本では、いつどこで自然災害に見舞われるか分かりません。そんな時に地域の病院の中心となって医療を行う病院が災害拠点病院です。阪神淡路大震災をきっかけに、災害時の死者を可能な限り減らそうと、厚生労働省は①DMAT(災害時に活動する医療チーム)の養成②EMIS(災害時に使用する情報共有システム)の全国導入③災害拠点病院の整備を3つの柱として施策を進めてきました。
災害拠点病院は、全国で731病院、北海道で34病院が厚生労働省に指定されており、函館市内では市立函館病院が唯一の病院となっています。指定要件は施設・設備の基準と運営体制の基準と大きく2つに分けて厳しい審査がなされます。施設・設備基準では地震などによって病院自体が機能しなくなる事を避けるために、耐震能力、自家発電、水や食料の備蓄量、ヘリポートの設置などハード面での能力が問われます。運営体制の基準では、多くの傷病者を受け入れるための救急医療の能力などソフト面の能力を問われます。また、基準を満たしているか、毎年国の調査を受けます。
災害拠点病院は、単に災害時に病院内で医療を提供するだけの病院ではありません。現場に医療チームを派遣し、災害時に全国から集まって下さる医療チームを取りまとめ、地域で活動してもらうための司令塔として活動します。
大規模災害時には被災した地域から傷病者を受け入れて治療を継続する責務もあります。そのため、訓練が非常に重要で、当院では院内の災害訓練はもちろんの事、消防、自衛隊、海上保安庁との共同訓練も実施しており、道内の訓練、全国の訓練にも積極的に参加しています。
道南地域も、いつ何が起こるか分かりません。いざという時に皆様に適切に医療を提供できるように、関係者一同研鑽してまいります。
(ハコラク 2018年7月号掲載)
略歴
平成18年、札幌医科大学医学部卒業後、同大附属病院、王子総合病院、手稲渓仁会病院、国立病院機構災害医療センター、厚生労働省勤務を経て、平成23~26年、平成28年から市立函館病院勤務。日本救急医学会救急科専門医。日本DMAT登録隊員。北海道災害医療コーディネーター。
市立函館病院
函館市港町1-10-1
☎0138-43-2000(代)
http://www.hospital.hakodate.hokkaido.jp/
■診療科目/消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器外科、
心臓血管外科、精神神経科など全30科目
■外来診療受付時間/8:30~11:30、午後は予約患者のみ
※診療科によって異なるので詳しくは問い合わせを
■休診日/土・日曜・祝日
がん相談支援センター開設時間/8:30~17:00
(土・日曜、祝日を除く、内線3289)
なんでも相談コーナー開設時間/8:30~17:15
(土・日曜・祝日を除く、内線4112)