農業にも取り組む情熱で、北海道を代表する味を目指す
店の味をそのままに冷凍し 月10万個以上を売り上げ
2007年に創業した「株式会社創造企画」は、〝食と関わり人と地域に貢献する〟を経営理念に、北斗市でラーメン店「らーめん初代社」を運営。北海道で生産・加工に取り組む人々から食材を仕入れ、ラーメンはもちろん、ギョウザ作りにも強いこだわりを持ち、店に来たら欠かさず注文したくなる味を目指してきた。ギョウザは当初、店内でのみ提供していたが、濃厚なラーメンにも負けないインパクトのある味わいが好評を集め、「持ち帰って家でも食べたい」という客からの要望に応えて冷凍商品を開発。店の近くに立ち上げた工場では、定番のニンニク入り「らーめん初代社の手づくりぎょうざ」をはじめ、国産ショウガを利かせた「しょうが風味」や季節限定の「行者にんにく餃子」、大きめのエビがゴロッと入った「エビワンタン」などのラインアップを、全て完全手作りで製造している。冷凍商品は「らーめん初代社」の店舗で直売価格で販売するほか、道内のスーパーを中心に販路を拡大しており、現在は月に10万個以上の売り上げを誇る人気商品へと成長を果たした。
社のギョウザは野菜が主役 ヤシロファームで生産も
森町産SPF豚「ひこま豚」を贅沢に100%使用し、知内町産のニラや道南産のキャベツにこだわるなど、地産地消を意識した厳選食材で作り上げる「社の手づくりぎょうざ」。隠し味に辛みそを加え、タレなしでも楽しめるよう味付けされたあんの中で、主役と言える存在感を放つのがふんだんに混ぜ込まれた野菜。齊藤靖社長は、「自分たちで育てた野菜でギョウザを作りたい」と、2018年から独学でキャベツやニンニクの栽培を始め、スタッフと共に農地を拡大。収穫時期にはギョウザに使用する野菜を自社のものに切り替え、朝採れ野菜や雪の下で越冬させたキャベツを使った期間限定商品も提供してきた。2020年には農業事業を「合同会社ヤシロファーム」として法人化し、来シーズンはキャベツ全量の自社生産化を目標としている。ラーメン店の仕事との両立は容易ではないが、「最初は完全に素人でしたが、この辺はちょっと車を走らせれば畑があり、農家のお客様に相談出来たりと、道南に居るからこそ実現出来たと思います。さらに事業を確立し商品の強みにしたい」と、力強く語る。
手作りの魅力を伝える 人生を掛けた自慢の味
工場では1日当たり約6000個のギョウザを専門スタッフが一つひとつ丁寧に手包み。あふれんばかりにあんを包み込み、美しくひだを寄せ丸みを持たせた形状は正に職人技。あんにはシャキシャキとした食感が楽しめるよう粗く刻んだキャベツがたっぷりと入るため、機械できれいに包むことは難しいという。手作りだからこそ出せる自慢の味を冷凍してもそのままに届けられるよう、昨年新たに急速冷凍機を導入。さらに作りたてに近いフレッシュな味わいが再現できる商品へと改良された。「お客様に喜んでもらうことを励みに、もっとおいしくならないかと考え続けています。ギョウザ作りは自分の人生の大半を占める大事なものになりました。これからもお客様の期待を裏切らないようおいしいと思える商品を提供していくので、一度は騙されたと思って食べてみて欲しい。いつか北海道のギョウザといえば〝社の手づくりぎょうざ〟と言ってもらえるようになったら最高です」と笑顔で話す齊藤社長は、現状に満足することなくチャレンジを続けている。
株式会社 創造企画 ぎょうざ工場
北斗市七重浜7‐11‐1
☎0138‐49‐0990
(らーめん初代社本店)
木曜定休
P有り
ハコラク2021年3月号掲載