歴史ある町で愛される
老舗だからこそ生み出せた心に残る一品
「吉田画夢」で販売する「夢っ子ロッケ」は、店主の吉田正さんと真知子さん夫妻が考案したご当地コロッケ。約半年の試行錯誤の末、厚沢部町のメークインと上ノ国町のフルーツポークの組み合わせにたどり着き、ソース無しでもおいしい味わいを追求。揚げたてを頬張るとジャガイモの甘味と肉の旨みが口いっぱいに広がる。店内は、いにしえ街道の案内板や昔語り絵巻を手掛けた画家・柄澤照文さん制作の壁画で彩られており、「絵を見て良い気分になったら、コロッケを食べながら散歩を楽しんで」と吉田店主はほほ笑む。
1926年創業の「山田屋菓子舗」の名物と言えば、あんがたっぷり入り丸々とした「大福」。3代目の山田康司代表は、季節ごとに水分量を調整しながら毎朝4時から餅を突き、コシとやわらかさのバランスにこだわる大福を8種類手作り。1番人気は食べ頃の大きなイチゴが丸ごと入る期間限定「苺大福」で、ジューシーな果肉とこしあんが絶妙にマッチ。コーヒー風味の特製あんで生クリームを包んだ「モカ大福」は、ほかとは違った味わいに男性ファンも多い。7月には「シャインマスカット大福」も登場するので、お気に入りの一品を見つけたい。
法華寺通り商店街にある「浅野屋菓子舗」は、1923年創業の老舗洋菓子店。4代目の浅野寿夫専務は、「地元のものを使って町を盛り上げたい」と2018年からジャム作りを開始。乙部町の畑で自ら摘んだハスカップに、バナナを合わせて渋みを抑えた「ハスカップと完熟バナナのジャム」や芳醇な香りとフルーティーでスッキリとした酸味が楽しめる「パッションフルーツのジャム」、町内の「小林ミルクパーラ―」の牛乳を丁寧に煮詰めた「江差ミルクジャム」など全4種類を用意。江差の水平線に沈む夕日をイメージしたパッケージは、お土産にもぴったりだ。
「チャイニーズレストラン美華」は、手頃なランチからコース料理まで味わえる本格中華料理店。店主の小路政信さんは、18歳から東京銀座で腕を磨き、1968年に故郷で独立。妻の若子さんと二人三脚で店を守ってきた。江差ゆかりの海産物を使い20年以上手掛ける「ソーランちまき」は、油不使用の和風ちまき。ニシンの甘露煮が甘じょっぱい「ニシン」や地元を中心に道南産の紅ズワイガニを乗せた「かに」など、それぞれの素材の味をほんのりしょう油を利かせたおこわが引き立てる。丁寧に作られたやさしい味わいは、ほっとした気持ちにさせてくれる。
(ハコラク 2021年6月号掲載)
吉田画夢
江差町中歌町38
☎0139‐52‐2348
9:00~17:00
不定休
山田屋菓子舗
江差町姥神町79‐1
☎0139‐52‐0302
8:30~18:00
日曜定休 P有り
キャッシュレス決済利用可
浅野屋菓子舗
江差町本町45
☎0139‐52‐0220
10:00~19:00
(日曜、祝日は18:00まで)
第3日曜定休 P有り
キャッシュレス決済利用可
チャイニーズレストラン 美華
江差町新地町27‐6
☎0139‐52‐0546
11:00~14:30L.O
17:00~20:30(20:00L.O)
水曜定休
P有り