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五島軒、新業態のカフェ27日に営業開始 本店1階ロビー アフタヌーンティーなど

 函館の老舗レストラン・五島軒(若山豪社長)は27日から、末広町の本店1階で新業態となるカフェ営業を始める。宴会場の待合室として利用していたロビーを活用し、「ブリューネ&エリザベス」としてオープン。完全予約制のアフタヌーンティーセットをメインにこだわりのコーヒーや紅茶を提供。若山社長(41)は「茶を飲みながら優雅な時間を過ごしてほしい」とPRする。
 同店は「ロシア料理とパンの店」として1879(明治12)年創業で、2代目社長の若山徳次郎氏が帝国ホテルで学んだフレンチを軸に料理を提供している。新型コロナウイルス禍前から続く利用の減少を理由に長年主力としてきた結婚式などの宴会業を昨年で取りやめ、同時に本店建物をどう活用するか、価値を問い直し、検討を続けてきた。
 本店は34(昭和9)年の函館大火で全焼し、翌35年に建て替え、現店舗が完成。宴会の待合室だったロビーは格調高い布製の壁、大正期からのステンドグラスやガラス棚など歴史を感じさせる空間で、より良い活用法として同店では初となるカフェ営業に乗り出した。
 店名は初代料理長の五島英吉が旧幕府軍として戦った箱館戦争で、同じく旧幕府軍に加わったフランス人士官、ジュール・ブリュネ大尉に由来。店にはアフタヌーンティーをはじめとしたイギリス文化が新たに加わることから、英国を象徴する女性名「エリザベス」を添えた。
 アフタヌーンティーセット(税込み4400円)は1日10組限定で、午前11時、午後1時、同3時の3部制。営業開始にあたり開発したティラミスやショートケーキ、スコーンをはじめ、サンドイッチ、カニクリームコロッケといった食事メニューが楽しめる。コーヒーは市内の老舗メーカーとタッグを組み、十字屋珈琲が焙煎したオリジナルブレンドをハンドドリップ(同935円)で淹れるほか、美鈴珈琲のブレンドコーヒー(同660円)も用意。仏の世界的紅茶ブランド「マリアージュ・フレール」も提供する。
 25、26の両日は関係者向けにプレオープン。27日にグランドオープンし、時間は午前11時~午後6時。火曜定休だが、30日は通常営業する。若山社長は店名の由来に触れ「市民にも活用してもらい、歴史を伝える店になれば」と話している。
 アフタヌーンティーセットは3日前まで同店(0138・23・1106)に予約する。(飯尾遼太)










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