安全なマウスピース矯正 (アライナー)について
人間の歯は、口の中を安全に移動させることができ、回転や移動が可能な量は、今までの矯正歯科の歴史や研究により分かってきております。1997年に設立されたアラインテクノロジー社の「インビザライン」は、デジタル化により、1本1本の歯の位置や形を数値データで記憶させます。そのデータを基に良い歯並びになったデータを作ります。矯正歯科治療で可能と思われる移動傾斜回転の量を基準として、目標の歯の位置まで何回で動かせるのかを計算させます。回数が決まったら、それぞれの少しずつ歯を動かした段階の模型を、3Dプリンターで作成し、その型からマウスピースを作成します。このようにCAD/CAM技術を利用し、正確な歯の移動が可能な、着脱式の矯正装置、マウスピース矯正ができ上がりました。
昨年「アタッチメント」の特許期間が切れたのをはじめとして、アラインテクノロジー社の保有する特許技術が開放されております。現在では、多くのCAD/CAMのメーカーがアライナー矯正に参入し、歯科医院や、直接患者様に作成したマウスピースを、配送するシステムも見られております。たくさんの方が、気軽に矯正歯科治療を受けられるようになってきたことは、喜ばしいことと思っております。
アライナー矯正であってもワイヤー矯正であっても、本来目指すべき治療のゴールは同じですし、歯の動く量は限界があります。矯正歯科治療では、いわゆるワイヤー矯正でも限界があり、顎手術が必要な場合、成長期への対応、口腔周囲の癖や筋肉の動きなど、全身的、精神面、社会性など、総合的な観点から、患者様について、最も幸せになる方法を考えます。また、アライナー単独では十分な治療結果が得られない症例では、ブラケットとワイヤーを用いた矯正装置を併用する必要性もあります。すべての矯正治療を安全に進めるには、当然ですが専門的な技術と知識が必要となります。
(ハコラク 2021年12月号掲載)
略歴
昭和50年、岩手医科大学歯学部卒業。札幌医科大学口腔外科、北海道医療大学歯学部矯正歯科講師を経て、市立函館病院歯科口腔外科科長に着任。昭和62年みはら歯科矯正クリニック、平成8年に五稜郭むらい矯正歯科クリニックを開院した。北海道医療大学歯学部矯正歯科学講座講師、医学博士。
みはら歯科矯正クリニック
函館市美原3-1-3
☎0138-47-3163
☎0120-118276[無料通話]
http://www.kirenaha.info
■診療科目/歯科・矯正歯科
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五稜郭むらい矯正歯科クリニック
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