頭痛からの解放を目指して
~脳神経内科では片頭痛も診ています~
頭痛はありふれた神経症状の一つであり、頭痛を経験したことのない人はおそらくいないでしょう。特に頭部外傷、クモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎などによる頭痛は命に関わります。また、高血圧、副鼻腔炎、血管炎、緑内障、虫歯、睡眠不足、二日酔いなどでも頭痛をきたします。これらの基礎疾患や誘因に伴って生じる頭痛を二次性頭痛と呼んでいます。
一方、これら基礎疾患のない慢性頭痛は一次性頭痛と呼ばれます。中でも最も多い病型は緊張性頭痛です。肩や頚の凝りと痛みと共に、頭に何か重たい物が乗っているような、締め付けられるような頭痛が特徴です。ひどい時には目眩や吐き気などを伴います。次いで多いのが片頭痛です。多くは片側性でズキンズキンと拍動性の頭痛発作を繰り返します。持続時間は、数時間から長いものでは2~3日持続します。その間、光を眩しく感じ、音に過敏になる場合もあります。頭痛発作に先立って数分程度の何らかの〝前兆〟を伴うこともあり、例えば、視覚性前兆では視野にジグザグ型の閃光でふちどられた暗点(閃輝暗点)が出現し拡大します。群発頭痛は一側の目の奥に差し込むような激しい痛みで始まります。これ以外にも、色々な頭痛発作の病型があります。
近年、片頭痛の病態解明が進み、治療法も進歩しました。治療法として発作の回数そのものを減らす治療(予防薬)と、頭痛発作を軽く短い時間で終わらせる治療(頓挫薬)があります。特に後者にはトリプタン系薬剤複数が使用可能で、剤形も経口薬、注射薬、点鼻薬など状況により使い分けています。頭痛診療には複数の診療科が携わっています。慢性頭痛や片頭痛で悩んでいる方、頭痛で就学に苦労しているお子さんをお持ちの方、未だ治療法の定まっていない方は、かかりつけの主治医に相談し、必要であれば頭痛診療に詳しい病院を紹介して頂くのも良いでしょう。
(ハコラク 2021年10月号掲載)
略歴
昭和53年、北海道大学卒業後、筑波大学附属病院、柏水会初石病院、北祐会神経内科病院、北海道大学医学部附属病院、同大大学院医学研究院を経て、平成31年に函館中央病院の名誉臨床顧問に就任。日本神経学会神経内科専門医。北海道大学名誉教授。
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