住み慣れた自宅で生活したい
~在宅介護を継続する上で~
介護が必要な状態となっても、多くの人は自宅で暮らすことを望んでいます。要介護の状態となっても自宅で暮らすことで環境変化による精神的負担がない分、不安は軽減されるという良い点もありますが、その一方で家族など身内の負担が大きくなるという問題も発生します。在宅介護は長くなるにつれ介護者の肉体的・時間的・精神的な負担が大きくなっていきます。
例えば、寝たきりの方の介護を行う場合には、排泄・着替え・食事・車いすへ移る時に抱きかかえて移乗するなどは肉体的な負担が伴い、経験も技術もない人にとっては大変な負担です。腰痛を発症したり睡眠不足により過労で体調を崩すこともあります。また、介護者は生活の中に「介護する時間」をつくらなければなりません。在宅介護は24時間365日休みなく続いていきますので、自分の時間が作りにくくなるという現実が介護者の精神をすり減らし、介護鬱を発症したり介護離職につながるという問題も少なくありません。
そのようなことを防ぐためにも、介護保険には「在宅サービス」があります。その中には自宅を訪問して行う訪問介護・訪問看護・訪問リハビリ・訪問入浴・福祉用具貸与などさまざまなサービスがあり、利用することで介護の負担を減らすことができます。そのほか、自宅から施設の送迎で利用できる通所サービスや短期間で入所できるショートステイなどもあり、利用している間は介護者が自分の時間を作ることができ、心と体の休息にもつながります。最後まで住み慣れた自宅で家族を介護したいというご家族を思う気持ちは本当に尊いものだと思います。在宅で介護をしている皆さん、どうか1人で抱え込むことなく自分の生活と介護のバランスをとり無理のない状態で行えるかどうかを見定めてください。
介護保険事業所は介護される側、介護する側の双方が笑顔で健全な暮らしができるように願っています。
(ハコラク 2022年7月号掲載)
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