随筆に着想を得て異国情緒漂う函館をイメージ
40年ほど前から国道5号線沿いに看板を掲げる「菓子舗喜夢良」は、和菓子の伝統を踏襲しながらも進化を求めて常に新しいものに取り組む老舗和菓子店。木村公二社長が「お菓子が会話を弾ませ、人とのつながりを深めるきっかけになれば」との思いを込めて、街歩きや古書からインスピレーションを受け、道南の歴史や文化を基に創作している。発売から30年以上の人気を誇る蒸し菓子「はこだて大三坂」(1本1,620円、ハーフ810円)もその一つで、函館市出身の文芸評論家・亀井勝一郎氏の随筆にある一説「東海の小島の思い出」を読み、西部地区を散策し生み出した。新鮮な卵と自家製のあんと白あんを使い、石垣を作る技術をヒントにして坂道の石畳を表現。しっとりとした舌触りで豆の甘さが口の中に余韻を残すしっかりとした味わい。切り分けた時の断面も美しく、贈答用としても好評。
(ハコラク 2023年9月号掲載)
菓子舗 喜夢良
七飯町本町4-5-20
☎0138-65-3571
8:30~19:00
不定休
キャッシュレス決済利用可