炭火串焼きと手作り総菜…
青森県出身の店主が築いた酒が進む楽しいひととき
繁華街の路地に赤提灯を揺らす「やきとりいべちゃん」は、本町界隈がまだ民家ばかりだった1976年、この地域で最初にできたとされる本町壱番街ビルで創業。2011年に移転した現店舗は、カウンターと20人ほどが座れる掘りごたつやカラオケを備えた個室がある。青森県五所川原市出身の伊辺道正店主が、毎年欠かさず見に行くという立佞武多祭りのポスターが壁中に張られ、青森にゆかりのある人が懐かしんで訪れることも多いという。
炭火でじっくり焼き上げるやきとりは、肉汁がジュワッと染み出す「ブタ精肉」とピリ辛仕立ての味噌が香ばしい「ミソホルモン」が3本で各400円、角がなく甘み感じる特製塩味の「とりつくね」が1本100円。味噌田楽、春巻き、スパゲッティサラダなどの日替わり総菜を3点盛りする通し(500円)を含め、長年価格を変えていないという。「コツコツ真面目にやるのが1番」と、1人で店を切り盛りしながら本町の変遷を見てきた伊辺店主。ユーモアたっぷりに語られる地域の昔話を肴に杯を傾ければ、あっという間に時間が過ぎていく。
(ハコラク 2024年5月号掲載)
やきとり いべちゃん
函館市本町3‐2
☎0138‐56‐0360
17:00~23:00
日曜定休 喫煙可