丁寧な仕事と研究を続ける姿勢が食通たちの心を掴む
「焼き方や味、どこまで勉強しても興味がつきない。それが焼き鳥の魅力ですね」と朗らかな笑顔を見せるのは、“ざっかさん”の愛称で親しまれる店主の坂常弘亮さん。函館市内の高校卒業後、札幌市や東京都の電気工事会社勤務を経て、15年ほど前に帰函。縁あって働くことになった本町の居酒屋で、料理人としての一歩を踏み出した。子供が生まれたのを機に独立を決意し、昨年5月に「さかつね」を開業。1本ずつ手刺しした焼き鳥と、個性豊かな顔ぶれの日本酒が人気を集め、足しげく通うファンも多い。
炭の組み方、串の打ち方は本や動画サイトを手本に全て独学で、良いと思ったものは貪欲に取り入れる。仕込みは深夜、店を閉めてから。塊で仕入れた良質な肉を、部位ごとに適したサイズを見極めて切り分け、下処理をしてから串を打つ。無心で取り組み、帰宅するのは夜が明ける頃になるという。コロナ禍の影響を受けて休業や短縮営業を余儀なくされた時も、坂常さんは「良い勉強時間になった」と前向きな姿勢を崩さず、「こんな時代だからこそお客様のニーズに応えたい」と熱意を持って仕事に打ち込んでいる。
(ハコラク 2021年10月号掲載)
炭火やきとり 酒房さかつね
函館市田家町5‐13
☎0138‐76‐3639
17:00~23:00 (22:30L.O)
水曜定休
禁煙 P有り
キャッシュレス決済利用可