熟練パティシエの父と力を合わせ
自慢の洋菓子を次の世代にも
2022年にオープンした洋菓子とパンの店「シュクル」は、小野浩司代表がこの場所で約20年営んでいた洋菓子喫茶が前身。タルトの食感や風味にこだわり8年掛かりで完成させた「苺のタルト」をはじめ、熟練の技で築いた定番ケーキやパンはそのままに、函館や東京で製菓技術を身に付けた娘の大谷晴香さんが、ピスタチオムースにサクランボのコンポートを入れた「ピスターシュ」や発酵バターで作る焼き菓子「ガレット」など、若い感性を生かして商品を考案。子供から大人まで日常使いできるパティスリーとして生まれ変わった。
子供の頃から父の仕事を見て育ち、店を手伝っていたという大谷さん。一時は調理師として働いたが、グラム単位の計量に基づき、ジェノワーズ生地のロールケーキ、メレンゲから作るシフォンケーキ、クリーミーなムースと、卵一つからさまざまなスイーツを生み出す洋菓子の世界が肌に合うと実感し、パティシエールに転身。父の指導を受けながらホテルベーカリーで経験を積み、焼き菓子の知識を深めようと東京の個人店でも腕を磨いた。結婚を機に仕事と子育ての両立を図り、家族一丸となって菓子作りに取り組み3年目。「父という頼もしい先生がいるので、今見ると逆に新鮮な感覚のフランス伝統菓子を教わったり、流行を取り入れたケーキの具体的な製法も相談できる。いつかケーキ教室を開いて、次世代の作り手の夢もサポートできたら」とやりがいをにじませた。
(ハコラク 2025年5月号掲載)
Le PatisserieSUCRE
七飯町本町4‐23‐1
☎0138‐64‐0755
9:00~18:30
火・第1・3水曜定休
P有り