「神戸の味を函館に届けたい」本場から直接仕入れる神戸牛をこだわりのオーダーカットで
兵庫県で生産された黒毛和種・但馬牛の枝肉の中でも、日本で最も厳しいとされる認定基準を満たした肉だけがその名を冠する「神戸牛」。このブランド肉の道南唯一の指定登録店として営業する「神戸炭火焼肉BUZZ 函館本店」は、2017年に元々あった神戸店を姉妹店として残し、本店として移転オープンした。創業は2010年。関西のホテルや和食ダイニングで腕を振るってきた平野剛志オーナーが、一頭買いする神戸牛や黒毛和牛の雌牛をオーダーカットで提供し、神戸市の焼肉激戦区にあって行列のできる人気店へと成長させてきた。
元々無類の北海道好きだった平野さんは、神戸市で物産展があれば必ず足を運び、限られた日程でも道内旅行を敢行、店で手作りするキムチやナムルには常々道産食材を選んでいたという。函館市出身の妻の父親が体調を崩したのを機に移住を決意したが、函館は豚食文化の強い地域。ホルモンに牛だけを扱うことに加え、あまりに豊富な肉の種類に客からは当初戸惑いの声もあったが、「神戸の焼肉を知って欲しい」と断固として店のスタイルを守ってきた。箸で切れるほどやわらかなフィレ、薄切りにしても細やかなサシから脂が滴るミスジ、2cmもの厚さながら簡単にかみ切れてしまうタン…。信念を持って伝え続ける味に着実にファンが増え、「関西だったら都市機能がマヒしそうな大雪の日にお客様が来て下さった時には本当に驚いた」とほほ笑む。函館訛りの言葉がうまく聞き取れず、妻の通訳が必要なほどに苦労したこともあったが、今ではすっかり耳になじみ、「おじいちゃんになるまでここで店をやっていきたい」と平野さん。味一本で勝負する焼肉への強い思いは、確実に函館の人たちに届き始めている。
(ハコラク 2019年10月号掲載)
神戸炭火焼肉BUZZ 函館本店
函館市湯川町3‐28‐19
☎0138‐83‐1204
17:00~22:30 (21:30入店ラスト)
火・第3月曜定休
喫煙可
P有り(14台)
クレジットカード利用可