笑顔引き出すそばを目指し手打ちの技術を日々磨く
柏が丘通りの角地に暖簾を掲げる「手打ち蕎麦 八起喜」は2023年11月に開店。季節ごとに変える道産そばの石臼挽き粉を使い、喉越しと香りのバランスが良い更科の二八と、濃い甘みとザラリとした食感の挽きぐるみ、貴重なそば粉が入手できた時のみの数量限定そばを十割ほかで提供し、そば通たちを魅了している。
「最初から最後まで自分の手で生み出す幸せ。その思いをすべてそば打ちで表現していきたい」―。店主の中山勝哉さんは八雲町出身。そば好きが高じて札幌のそば店で2年近く修業した後、函館市内そば店で17年ほど店長を務めた。「勤めてきた店では機械打ち。本当に自分の味を提供するには、手打ちそばなのでは」と独立を決意。「気持ちの良い接客や店の居心地も大切」と、前店舗の同僚で、今でも全幅の信頼を寄せる接客担当の竹原真紀さんとともに開業した。
そば打ちは朝5時から。ほんの少しの差異で風味が変わる繊細なそば粉の感覚を指先で探り、その日の温度や湿度を加味し神経を研ぎ澄まして打つ。つゆは2週間ほど寝かせて味のとがりを取ったかえしと、カツオ節3種類と南茅部地区産コンブでとったダシで仕上げる。一押しの「海老天せいろ」(1,800円)はサクサクの衣をまとったエビや野菜の天ぷらが自慢。天ぷらは単品注文も多く、直売所に直接足を運んで仕入れる旬の野菜の天ぷらのほか、「食で函館を応援したい」と地元で水揚げされる「鮫の天ぷら」(1個200円)も用意する。中山さんは「今でも日々勉強。自分はまだまだという精神でそばを打ち、お客様を笑顔にしたい」と、ストイックに道を探求し続ける。
(ハコラク 2025年6月号掲載)
手打ち蕎麦 八起喜
函館市松陰町31‐13 プレジオ函館松陰町1F
☎0138‐86‐6446
11:00~15:00(14:30L.O)
17:00~19:00L.O
※夜営業は電話で要確認
木曜定休
禁煙 P有り
キャッシュレス 決済利用可