母娘で受け継ぐ専門店ならではの味で
函館名物の魅力を伝える
1951年、はこだて自由市場の設立と同時に創業した「富田鮮魚店」は、市内でも珍しいイカの専門店。始まりは魚も扱う一般的な鮮魚店だったが、さばいた魚の生臭みがイカの身に移るのを嫌った創業者がイカ一本の商いに切り替え、函館名物の魅力を最大限に生かす販売スタイルが受け継がれてきた。
店頭であめ色に光る大ぶりなイカを、その場でさばいてもらうこともできる刺身は、包丁の刃先で均等に細切りする「イカ刺し」と2枚におろしてから押し切りした甘さが際立つ「うす切り」の2種類を用意。3代目店主の富田和子さんと、娘の綾子さん、智子さん姉妹が、目の前で手際良くさばいてくれる。天日干しすることで甘味を増したスルメイカをみそでやわらかくした「イカのみそ漬け」や函館産のイカを100%使用した樽仕込みの「いか塩辛」など、自家製の一品にもファンが多い。「ここのイカを食べたら、もうほかのイカは食べられない」と言わしめる専門店ならではの味を楽しみたい。
(ハコラク 2022年1月号掲載)
カネトミ 富田鮮魚店
函館市新川町1‐2(はこだて自由市場内)
☎0138‐23‐5502
6:00~16:00
日曜定休