華やかで繊細な料理に舌鼓 至福のひとときを過ごす
静かな住宅街の一角に溶け込むようにして立つ「キッチン神山」は、ランチ、ディナーともに本格的な洋食をカジュアルに楽しめる人気店。函館市内の老舗洋食店で40年近く腕を磨いた小林進店主が作り出す、さまざまな美味を求めて函館市内はもとより、札幌などから足を運ぶ人も多い。自宅の1階を改装し、レンガ風の壁、こげ茶色のテーブルクロスなど落ち着いた色合いでまとめた店内は、ほっと肩の力が抜けるあたたかな空間。カウンターから厨房の様子が垣間見え、肉を焼く音、シチューやカレーが放つ芳醇な香りが漂い、料理への期待がより高まる。
テーブルを彩るのは、独自の味を追求し、客を楽しませる気遣いに満ちた料理の数々。フランス料理の技術を応用した欧風カレー「鴨ムネステーキカレー(マイルド辛口)」は、生クリームを入れマイルドな辛さに仕上げた。カモ肉のやわらかさ、爽やかなスパイスの香りの余韻がいつまでも残る。
「鴨ムネステーキ(ハチミツソース)」は鮮やかなロゼ色が映える。ソースをしょうゆ油ベースの和風仕立てにし、旨味が凝縮したカモの胸肉を、あっさりとした口当たりに。「帆立と海老のブルゴーニュ風 メルバトースト添え」は、ニンニク、パセリを混ぜ込んだブルゴーニュバターが具材の旨みを引き立てる。夜限定のこの2品はどちらもアルコール好きには外せない〝定番の逸品〟だ。複雑で繊細、華のある料理をグラスを傾けながら堪能する、贅沢な時間を過ごしたい。
(ハコラク 2018年12月号掲載)
キッチン神山
函館市神山3‐28‐18 ☎0138‐51‐1311
11:30~15:00、18:00~21:00 (各1時間前L.O)
火曜定休 P有り