フレンチの技法が冴える一皿を
ナチュラルワインとともに
2018年に大門地区で開業し、22年に梁川町へ移転した「オデオン」。〝ワインビストロ〟をテーマにナチュラルワインを主役に据え、腕を振るうのは、フランスで修業経験のある向井廉オーナーシェフ。道南の食材を使用した総菜や一品料理などひと手間かけたメニューが気軽に楽しめる。
ブランドシカ肉「函鹿」を使う料理が登場したのは半年ほど前。スタッフから評判を聞き購入したところ、その味の良さに感動を覚えたという。以来「もっと多くの人にシカ肉を食べてほしい」と、内モモ肉とモモの部位のシンタマを塊で仕入れ、フレンチの技が光るスペシャリテにして提供している。炭火でじっくり火を通し、旨味を最大限に引き出す「函鹿の炭焼き」は、調理法がシンプルなゆえにごまかしが効かない料理。指に伝わる肉の感触だけで火入れ加減を図り、かみしめると肉汁があふれるしっとり食感に仕上げる。また、炭焼き用に形成した時に出る肉のかけらやスジを、赤ワイン、香味野菜などと一緒に2時間ほど煮込んだ「函鹿のラグー」は、モチモチの低加水パスタ・フレスカとよく絡み、トマトの酸味が後を引く。どちらも赤ワインと合うこと請け合い。
(ハコラク 2024年1月号掲載)
odéon
函館市梁川町18‐20
☎070‐8988‐3336
18:00~22:30
月曜定休(ほか不定休有り)
禁煙
クレジットカード利用可