確かな食材と板前の技で
酒を楽しむ幸せなひとときを
「郷土風味 魚来亭」は、創業47年の老舗和食店。生けすで泳ぐ天然活魚や地元生産者が作るこだわりの食材を、調味料の一つまで選び抜き、磨き上げた板前の技で酒に合う旬の料理に仕上げている。
全国各地で修業し、２０１３年に店を継いだ２代目店主の久保英隆さんは、これまでもシカ肉が手に入ると店で振る舞ってきたが、「最近の函館のエゾシカは、ハンターの方が命がけで迅速に処理してくれるので、シカ肉の概念を変えるほどレベルが高く、どんな料理にも使える」と、昨年からエゾシカを店の定番食材に加えた。シカ肉を丸１日塩こうじに漬け込み約２時間蒸し上げ、岩手県のどぶろくから作られた旨みの強い米酢にさらに漬け込む「鹿と蓮根餅のどぶ酢がらめ」は、やわらかな肉によく味が染みた酢豚風の一品。低温調理でとろけるようなやわらかさを引き出す「シカフィレ肉のロースト」は、南蛮味噌を合わせた香ばしい焼き味噌とカツオダシにくぐらせたレタスでほう葉焼き仕立てに。伝統的な和食の軸を少しずらして生みだす料理の数々は、地場の美食の新たな一面を教えてくれる。
（ハコラク ２０２４年１月号掲載）
郷土風味 魚来亭
函館市本町２２‐１１ グリーンエステートビル１Ｆ
☎０１３８‐５３‐７７５５
１１：３０～１４：００
１７：００～２３：００
（各１時間前L．O）
日曜定休・水曜はランチ休み
禁煙
キャッシュレス決済利用可
絶品エゾシカ肉料理③／魚来亭 『鹿と蓮根餅のどぶ酢がらめ』
すりおろしたレンコンを木べらで練り上げもっちりと仕上げるレンコン餅とシャインマスカットの天ぷらを添えた「鹿と蓮根餅のどぶ酢がらめ」（９９０円）は、さっぱりとしながらコクのある“どぶ酢”の酸味が、バラ肉の脂の甘みを際立たせる
「鹿肉のロースト味噌焼きとレタスの湯引き」（１，５００円）は、肉の味わいを純粋に堪能でき、「郷宝」「五稜」など道南の日本酒と好相性
「食べる経験はお客様の方が豊富なので教わることが多い」と久保店主。店を立ち上げた母で女将の利江さんやスタッフとともに楽しく飲める店作りに努めている
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