大人の喘息を知っていますか?
喘息とは、気管支に炎症が起こることで息苦しさなどの呼吸器の症状が起こる慢性のアレルギー疾患です。喘息は子供だけの病気ではありません。子供の頃から喘息を患っている場合もあれば、大人になって初めて発症する方もいます。喘息は気管支の炎症で気管支が狭まることにより、咳、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューと音の鳴る呼吸)、痰、息苦しさなどの症状が起こります。激しい発作を起こすと呼吸困難に陥り、ときに命に関わることもあります。季節の変わり目や気温差が激しい時、風邪や感染症後などに咳が長引いてなかなか治らない、夜間や明け方になると息苦しくなるというような症状が長く続くようであれば、喘息の可能性がありますので、早めに医療機関を受診しましょう。
主な治療は、継続して吸入ステロイド薬を使用し、気管支の炎症を鎮め、喘息の症状を出にくくします。吸入ステロイド薬だけでの治療で十分に症状を抑えられない場合は、気管支を拡げ呼吸を楽にする気管支拡張剤を併せて使用します。吸入ステロイド薬と気管支拡張薬を同時に吸入できる薬剤も多く使用されています。重症度により悪化に関連する炎症物質を抑制する薬剤などを使用します。吸入ステロイド薬などの治療で、健康な方と同じように生活することが可能です。喘息の発作は夜間や早朝に起こりやすく、気道が炎症により敏感になっているため、アレルゲンを吸い込むと発作が出る原因となります。主なアレルゲンはホコリやダニ、ペットの毛などがあります。小まめに家の中の掃除と換気を行い、清潔を保つよう心掛けましょう。
喘息は糖尿病や高血圧と同じく慢性の病気です。自覚症状がなくても毎日継続して治療を行う必要があります。患者さんの自己判断で治療をやめてしまうと、悪化することなどもあります。治療を続けることが難しい理由があれば、必ず主治医にご相談下さい。
(ハコラク 2019年7月号掲載)
略歴
平成14年、岩手医科大学医学部卒業、同年4月、北海道大学医学部第三内科入局。市立札幌病院消化器科、NTT東日本札幌病院消化器科、函館中央病院内科勤務などを経て、平成18年11月より佐藤内科小児科医院勤務。平成28年7月より同院副院長となり、現在に至る。
佐藤内科小児科医院
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■診療科目/内科、小児科、消化器科、循環器科、呼吸器科、糖尿病内分泌代謝科
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