集中治療室(ICU)は、ご存知の通り、院内の最も重症な患者さんが治療を受ける場所です。現在、厚労省が認定するICUには専門は問わないが常に医師が1人以上、看護師は患者2人に対して1人以上が配置され、日本看護協会が認定した集中治療認定看護師がいることが義務付けられています。
函病は昭和46年に北海道で初めてICUが設置されました。私は医師になって2年目の秋から約1年間函病に勤務し、瀕死の状態の患者さんを救命する集中治療に興味を持ちました。
ICUとひとことで言ってもずいぶん違いがあります。いまや手術は確立されており、定期手術後のICU入室患者さんの死亡率は1%以下です。しかし、救急外来や院内の急変患者さん、緊急手術後の患者さんの死亡率は30%を超える事もあります。それだけ、急変救急患者さんは重症度が高くICUで行われる治療も大変で、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師などとのチーム医療が必要になります。しかし、従来はその診療報酬がどのICUでも一律でした。それを厚労省と真摯に向き合い、ICUを2つのレベルに分けてもらいました。高い方のレベルのICUはこれまでの条件に加えて、集中治療に5年以上勤務した経験を持つ医師が2名以上、臨床工学技士が24時間サポートできる体制などを必要として、診療報酬を高くしてもらうこととなりました。
従来、ICUは大きな病院でも1カ所しかなく、救急患者も術後患者も院内急変患者も同じICUで治療を受けていました。しかし、今は救急専用、脳卒中専用、術後専用などに分かれてきている病院もあります。また、従来は専従医がいなかったICUに集中治療専門医が常駐して、専門医を中心としたチーム医療が行われるようになってきています。(ハコラク 2019年3月号掲載)
略歴
昭和50年、札幌医科大学卒業。岡山大学医学部救急医学講座教授、川崎医科大学医学部救急総合診療医学講座特任教授などを経て、平成30年、函館市病院局病院局長に就任。日本救急医学会救急科専門医、日本麻酔科学会麻酔科専門医、日本透析医学会透析専門医。
市立函館病院
函館市港町1-10-1 ☎0138-43-2000(代) http://www.hospital.hakodate.hokkaido.jp/
■診療科目/消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器外科、心臓血管外科、
精神神経科など全30科目
■外来診療受付時間/8:30~11:30、午後は予約患者のみ
※診療科によって異なるので詳しくは問い合わせを
■休診日/土・日曜・祝日
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