身近すぎて気付かない!?
おむつのもたらす影響
少子高齢化社会が進む中、「おむつ」に排泄せざるを得ない高齢者が増えているのではないか、と感じます。乳幼児と違い高齢になると、加齢や病気に伴う身体機能の低下や疾病により、排泄障害(失禁)が起こることがあり、そんな「尿・便が漏れる」時にすぐ手に入れて使用できるのが「おむつ」です。手軽で便利な反面「おむつからの漏れ」や「蒸れる・肌の不快感」といったトラブルも多く、解決策として「正しいおむつの当て方や選び方」が必要と考える方がほとんどです。しかし、時にはオリジナルの当て方を「正しい当て方」と捉え、「おむつ」を重ねに重ねて使用されるケースも少なくなく、かえって蒸れを悪化させたり、お肌のトラブルにつながることもあります。もちろん「おむつを正しく選び、正しく当てる」ことは基本ではありますが、それができたら万事OKということではありません。
「おむつ」のトラブルをきっかけに、「本当にそのおむつが必要なのか」「ほかの排泄方法は本当に無理なのか?」という視点をもつことができ、ケアする人とともに、おむつ排泄をしている人にとって「より良い状態」をもたらす可能性が生まれます。それこそが大切なのではないかと考えます。排泄物の漏れを解消する代償として、尿を吸収した「おむつ」を着けていると寝返りがしにくかったり、歩きにくかったり、さらに座った時の姿勢が崩れたりと動作に大きな影響を与えることもあります。こうした知識があれば、日常生活において問題が生じた時に、「おむつ」が関係しているのでは?と気付くことができます。「おむつ」はただ単に「尿・便を漏らさないためのモノ」ではなく、身体に一番近い福祉用具であり、人生最期の時まで“身に着ける”であろう「パンツ」でもあります。
「おむつ」が生活に悪影響をもたらすモノではなく、安楽で安寧な生活を支えるための「パンツ」になれるよう、ぜひ見直してみませんか?
(ハコラク 2022年8月号掲載)
訪問フットケア&はいせつ相談所
「ミニむつき庵」 ひだまり
函館市本通4‐27‐10
☎080‐5443‐3942
https://sites.google.com/view/hidamari3942/
■営業時間/9:00~18:00(時間外でも対応可)
■不定休