在宅リハビリテーションの役割
函館市の高齢化率は、全国・北海道よりも高く、数年先まで上昇が続くことが予測されております。日本の要介護状態の原因は認知症が最も多く、次いで、脳血管疾患、高齢による衰弱、骨折・転倒の順で多いと報告されております。厚生労働省は「人生100年時代に向けて」という構想に、地域包括ケアシステムの推進も踏まえて「年をとっても住み慣れた地域で元気に暮らせる」というライフ・シフトを検討しております。老年医学の観点から考えても、加齢による身体機能の衰えというのは自然の摂理であり、人類が避けては通れないものです。しかし、生活・運動習慣によって、衰えを予防したり改善することは可能です。そのためには、リハビリテーション(以下: リハビリ)に加え在宅医療・介護の多職種によるチームサポートが必要となります。在宅リハビリ部門では理学・作業療法士や言語聴覚士が配置されている事業所が多く、利用者さまの日常生活能力向上や社会参加を目的に関わっております。
近年、リハビリ専門職は在宅リハビリの効果を示していくことが求められております。リハビリを行い、なんとなく「歩くのが良くなってきましたね」という感覚的なものではなく、信頼性の高い評価を用いて「歩くのが前回と比較して良くなりましたね」と根拠を持ってお伝えすることが療法士が最も得意とするところです。しかし、在宅分野においては、リハビリ効果の報告や発信は不十分であり課題となっております。利用者さまと目標を共有し、ご自身でできることや活動範囲を広げられるよう、現在の能力維持に留まらず改善・回復を目指して関わらせていただいております。高齢化率の高い函館市だからこそ、高齢者の皆さまにはできるだけ永くお元気でいてもらい、自分らしい生活を送っていただきたいと切に願っております。
(ハコラク 2022年6月号掲載)
西堀病院
函館市中道2-6-11
☎0138-52-1531
http://www.nishibori-hosp.or.jp/
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