笑いで遺伝子をスイッチONに
昔から「笑う門には福来る」と言われます。実際に笑いは、健康面や精神面にプラスの効果を与えてくれます。
かつて、ノーベル賞の最有力候補で遺伝子研究の第一人者、筑波大名誉教授の故村上和雄氏は、「笑いが血糖値を下げる」事実を世界で初めて発見しました。
糖尿病の患者さんを数十名集め食前血糖値を計り昼食を取ってもらい、その後大学の先生の糖尿病に関する講義を聴いてもらいます。講義後、血糖値を計ったところ、食前より平均で123mg/dl(中には200mg/dl以上の人も)上昇していました。
後日同じメンバーで再度計測&昼食し、今度は堅苦しい講義ではなく、吉本興業とコラボし、人気者の漫才で大いに笑ってもらいました。すると、その後の計測では平均上昇値は77mg/dlで、前回の3分の2以下まで下がっていました。
また、我々の体は37兆個の細胞で構成されていますが、健康な人でも毎日5千個ものガン細胞が発生しています。それを免疫系の細胞が見つけて攻撃し、無力化します。この働きが弱いとガンを見逃し、大きくなって制御が効かなくなり、暴れ出してしまいます。そして大笑いするとこの働きが高くなるのも判明しました。そして逆に免疫力が高すぎると起こる「自己免疫疾患」という、自分に対する免疫系の攻撃(関節リウマチ、膠原病、1型糖尿病など)も抑えられ、適正な状態に落ち着かせる効用も分かってきました。
前述の村上氏は、笑いによって健康に良い遺伝子が「ON」になり、反対に健康を損ねる遺伝子は「OFF」になると考えました。このような遺伝子レベルでの変化によって血糖値の上昇が抑えられたり免疫力が活性化されたりするという事です。
私たちも介護を「食事、入浴、排泄」だけで捉えず、「笑い」を取り入れて「ストレスに負けず豊かに生きる力」を引き出していきたいですね。
(ハコラク 2021年11月号掲載)
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