訪問介護の役割
~介護保険制度の本質「自立支援」を理解して~
訪問介護とは訪問介護員が利用者のご自宅に直接訪問して入浴、排せつ、食事などの介助を行う「身体援助」、調理や洗濯、掃除、買い物などの「生活援助」を行う「介護保険サービス」です。「ヘルパーさん」の方が一般的には聞き慣れているかと思います。
自宅という身近なところで生活のサポートをするため、利用者さんからすると「家事代行サービス」との区分けが曖昧になってしまうことがあるようですが、訪問介護は「介護が必要な方が、自分らしく自立した生活ができるように適切なサポートを行う」という介護保険制度の中のサービスですので、自立した生活を阻む「課題」を解決することが仕事となります。掃除や洗濯などの生活援助の部分でも「家事代行」とは違い、利用者さんの身体状況や生活状況の維持・改善及び悪化の防止・予防を目指すために提供されるもので、そのため介護生活の「課題」に関係ない場合は、お願いされた用事をお断りすることもあります。「これくらいやってくれてもいいじゃない」と思われるかもしれませんが、介護保険の利用料は自己負担分を引いた残りを社会全体で負担していることを思い出していただければ、適切な制度運用のためにも自立支援につながらないことは引き受けられないことを理解いただけるかと思います。
それでは適切な訪問介護の利用はどのようなものなのか?ということですがポイントは、どんな課題をクリアすれば自分らしい生活を送れるのか、「やってもらう」ではなく「どんなサポートが必要か」という意識を持ち、今ある身体機能を生かしながら、出来ないことの手助けを受け、充実した生活を送るために必要なサービスを選択することです。
介護保険制度の本質を理解すると利用方法やその価値が見えてくるかと思います。
(ハコラク 2020年8月号掲載)
株式会社 函館介護支援研究所
まるもヘルパーST
函館市富岡町1‐49‐5
☎090‐8279‐1504
■利用時間/8:00~22:00
■定休日/日曜(相談に応じ対応可能)