夫婦二人三脚で守る 〝あの味〟がある場所
昭和23年、大門地区の菊水小路で創業した「ラーメンのりんさん」。台湾出身で満州鉄道に勤めていた林昭寿さんが、戦後のシベリア抑留から帰還した地・函館で開業。平成11年に湯川町に移転し、現在は娘の公恵さんと聖さん夫妻が二代目として暖簾を守る。
毎朝5時半から店に立ち仕込みを始める聖さん。前日に血抜きを済ませた豚骨や鶏ガラ、銭亀町の漁師から直接仕入れる昆布などを使い、6時間以上かけダシの旨味が詰まった黄金色のスープを仕上げる。函館ラーメンの伝統を受け継ぐ「塩ラーメン」には余計な雑味を加えないよう精製塩のみを使用。ほか、台湾の屋台料理の味をヒントに夫婦二人三脚で作るオリジナルの一杯も人気が高い。調味料から水の量までグラム単位で管理し〝いつ来ても変わらぬ味〟を守ってきた。否が応でも変化するものが多い世の中で「うちの味はこう」という一杯を貫く強いこだわりが、世代を超えて愛され続ける秘訣だろう。
(ハコラク 2018年9月号掲載)
ラーメンのりんさん
函館市湯川町1‐9‐13 ☎0138‐57‐7756
11:30~19:00(18:30L.O)
※スープが無くなり次第終了
金曜定休
P有り