【福島】松前藩主ら数々の偉人が通過した古道をたどりながら歴史を学ぶイベント「殿様街道探訪ウオークin春」(町千軒地域活性化実行委主催)が3日、町千軒で開かれた。町内外から約40人が参加、じっくりと時間をかけて歩き、街道沿いの名所・旧跡巡りを楽しんだ。
春と秋に開催する恒例のイベントで、41回目。大千軒岳麓の広場で開会セレモニーを開き、鳴海清春町長、道議会の冨原亮議長が歓迎のあいさつを述べた。
出発前のオープニングトークで、福島町史研究会の中塚徹朗会長は、大正時代の総理大臣、原敬(1856―1921年)が新聞記者時代の25歳の時に国の役人の同行取材で街道を歩いた記録があったと報告し、当時の日記に「蹄(ひづめ)のついた馬でないと行けないほど険悪な道」と記していたことも紹介した。
一行はガイド長の笹島義広さんの案内に従いながら、列になって約7キロにわたるコースを約4時間かけて歩いた。街道沿いに残る箱館戦争時の砲台跡や、国鉄松前線跡、四十八瀬など各名所ポイントを巡り、町教委の鈴木志穂学芸員が解説し、参加者は熱心に聞き入っていた。
終了後は町活性化センター「あづまーる」で松前神楽の鑑賞や千軒そばを味わい、疲れを癒やした。先祖が千軒地区に在住していた縁で帯広市から参加した山口楓真さん(28)は「中塚会長の話で先祖のことを詳しく知ることができ、有意義な1日だった」と話していた。(鈴木 潤)