記憶に残る音楽と愉しむ懐かしい味
函館公園の裏参道に立つジャズ喫茶「想苑」。木々の中に溶け込む店舗にはJBL製スピーカーから流れる迫力ある音にじっくりと浸れる席、公園の緑を前庭のように眺められる開放的な席と2つの趣の異なる空間が広がる。
ジャズ喫茶全盛期、砂原秀秋さんは妻・英子さんの母親が創業したこの店に客として通っており、大好きなジャズをきっかけに結ばれた二人が2代目として店を守る。この店に〝思い出の音〟を持つ常連客も多く、毎月開催するジャズセッションにはプロ・アマ問わず演奏家が集い、コーヒー1杯から生ライブが聴けるとあって大いににぎわう。夫婦でセレクトする音楽に包まれながら味わえるのは長年愛される自家製メニュー。ハムや玉子を挟んだ「焼サンド」は、軽い口当たりでペロリと食べてしまう逸品、季節の生フルーツをふんだんに盛り付けたパフェも人気だ。言葉は無くとも伝わるこの店の魅力が、懐かしい味をより特別にし、人々を惹きつけて止まない。
(ハコラク 2018年10月号掲載)
喫茶 想苑
函館市青柳町3‐15 ☎0138‐23‐3763
9:30~20:00 (冬期は18:00まで)
第3火曜定休
P有り