客と共に築いたくつろぎの空間で身も心もポカポカになれる味
しっとりと演歌が流れる「喫茶つがる」の店内には、昭和の空気がそのまま残る。店名はカウンターに立つ佐々木恵子ママの父親が青森県五所川原市出身であることに由来し、「津軽屋食堂」の名で宿場や地域の食堂として創業。恵子ママが喫茶店として生まれ変わらせてから来年で50年を数え、まだ馬車が走っていた時代から親子二代で〝つがる〟の看板を守ってきた。
「お店で出会った人同士がおしゃべりするのが一番嬉しい」とカウンターで話に耳を傾けながら料理を作るママ。かつては常連客と「つがる会」を立ち上げ、店以外でも交流の場を設けるなど、長年に渡り客と家族のような関係を築いてきた。名物の「なべやきうどん」は、年配の人にも喜ばれるよう用意したメニューの中で根強く残った一品で、熱々のつゆをたっぷりと吸ったかき揚げと麺をすすれば、その優しい味わいにほっこり。客に寄り添い歩んできたこの店の味は、体はもちろん心まであたためてくれる。
(ハコラク 2019年4月号掲載)
喫茶 つがる
函館市大森町23‐13
☎0138‐23‐0711
8:00~16:00
不定休 喫煙可
P有り