いつも変わらぬ庶民の味と長居したくなる居心地の良さ
昭和風情漂う「ラーメンのてっちゃん」の創業は53年前。伊倉悌司店主は、かつて大門地区にあった「ラーメンのりんさん」で〝給料は要らないから〟と頼み一年程修業。そこで学んだ丁寧な仕込みを守り、毎朝5時から厨房に立ち続けてきた。
「何を置いても目を離さない」というスープは、あっさりとしながらコクがあり、決して煮立たせずに仕上げることで、子供から「お湯にラーメンを入れているの?」と聞かれるほどに透明度が高い。チャーシューは開店時から継ぎ足すタレで煮込み、昔ながらの歯応えに懐かしさを覚える。しっかりと焼き目を付けるチャーハンは正に「焼飯」の名がふさわしく、アサリやエビの魚介ダシが詰まった香ばしい逸品だ。
客との対話を大切にする伊倉店主は「長年続けていると小さかった子が自分の子供を連れて来てくれたり嬉しい再会も多い」と話す。妥協の無い味とつい長居したくなる居心地の良さ。愛され続ける秘訣が店主の人柄から溢れていた。
(ハコラク 2019年1月号掲載)
ラーメンのてっちゃん
函館市亀田本町54‐11
☎なし
11:00~19:00
(木曜は15:00まで)
※スープが無くなり次第終了
日曜定休