料理に眠る歴史を紐解き
地元の人も知らない老舗の味を発信する
開港都市としていち早く西洋文化が根付いた函館で、1879年に創業した「五島軒」。道内最古と言われる洋食レストランの広報を担う原島雪乃さんは、「カレーが有名ですが、始まりはロシア料理とパンとケーキの店。創業当時に考案された“ソーフケーキ”に続くオリジナルスイーツなど、今に伝わる味の伝統や意味を知って欲しい」と語り、道内外に向け情報発信やイベント企画に取り組む。
神奈川県出身の原島さんは、函館の幕末の歴史や豊かな自然に魅せられ6年前に移住。元来の歴史好きも高じて店の歩みを紐解くと、箱館戦争を戦った初代料理長と創業者の出会いから、大火を乗り越え国の有形文化財に指定される本店建物の成り立ちまで、地域との深い繋がりが見て取れるという。「五島軒の歴史は函館の歴史。埋もれていた史実にスポットを当てるのも大切な使命」と、地元の人も知らない140年以上の物語を一つひとつの料理から掘り起こし、老舗の味を伝えている。
(ハコラク 2022年 2月号掲載)
五島軒 本店
函館市末広町4‐5
☎0138‐23‐1106
11:30~15:00
17:00~20:30
(各30分前L.O)
1~4月中旬まで火曜定休
禁煙 P有り
キャッシュレス決済利用可
https://gotoken1879.jp/