ハンガリー南部の伝統・毛糸刺繍を
地球の反対側の日本で楽しく正しく伝える
ハンガリー南部の都市・ホードメゼーヴァーシャールヘイに伝わる毛糸刺繍に田中さんが出合ったのは、東京の大学で美術史を専攻している時。元々東欧の伝統文様に興味があり、ハンガリー刺繍を卒論テーマに。都内のハンガリー刺繍教室に通ううちに、情報が少ないがゆえに好奇心がくすぐられ、2015年、23歳の時に単身現地へ。伝承に取り組む女性を先生に技術を学び、2017年に帰国。現在は祖母のいる函館と実家のある埼玉県を拠点に、ホードメゼーヴァーシャールヘイ刺繍そのものを知ってもらいたいと、全国各地の展示会などに参加している。ワークショップ、制作キットの販売など積極的に活動を展開しつつも「部外者の私が文化に立ち入ることに、現地の人はどう考えているのか」と不安を抱えていた。そんな中、一昨年、先生の作品を日本で展示販売し、その様子をSNSで公開するとハンガリーから「地球の反対側で紹介されて誇らしい」とメッセージが届いた。その声に強く励まされ、ますます作品作りに注力。「この先、道南の宿泊施設と期間限定でも装飾などでコラボレーションできたら」と、より多くの人の目に触れるよう方法を模索している。
(ハコラク 2021年2月号掲載)
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