地元の人を感動させる料理で世界中から客が集うレストランに
2013年にオープンした「ロワゾー」は、2017年にミシュラン1つ星を獲得したフレンチレストラン。山口県出身のシェフ・松永和之さんは、日本で学んだ技術が世界で通用するかを確かめるため6年間フランスに定住。数々の一流レストランに身を置き、2つ星レストランで副料理長を務めると、次の舞台に選んだのが函館。渡仏時代、東京、京都と並び海外からの注目度の高さを感じたのが北海道で、妻・美保子さんの故郷でもある函館には、気候や雰囲気などフランスに通じるものがあったという。かつては大都市の方が料理人として成功するチャンスが多いと考えていたが、フランスの小さな田舎町に世界最高峰のレストランが在るのを目の当たりにし価値観が一変。「海外観光客からの需要も高いこの街は、世界から客が集うレストランを作るのに一番近い場所」と函館での開業を決意した。
「地元の方が親しい人にすすめたくなる、それが店にとって最大の評価」との思いから、地域で親しまれる食材を驚きや喜びある一皿にすることを大切にしているが、函館は山海の恵みが豊かな土地。ほかでは高級食材とされるタラやホタテもここではあまりに身近な存在で、味も魅力も知り尽くした人たちに新たな視点で感動を届けるのが、苦心するポイントであり面白さでもあるという。今年10月からはさらなるサービス向上を決め、子供から大人まで、真に心と体が休まる店作りへと邁進する松永さん。地域に与える経済効果など、1軒の有名レストランが持つ影響力の大きさを経験したことから「街で1番のレストランになることが函館のためにできること」と語り、世界、そして未来を見据えている。
(ハコラク 2019年10月号掲載)
L'oiseau par Matsunaga
函館市柏木町4‐5
☎0138‐84‐1858
土・日・月曜 12:00~15:00(13:30L.O)
水~日曜 18:00~22:30(20:30L.O)
10月よりディナーはサービス料5%
火曜定休
禁煙 P有り
クレジットカード利用可