日本料理の技法を大切にしながら
型にとらわれない自由な発想の一皿を
水産物卸売業者直営店ならではの確かな目利きで、鮮度抜群の海鮮料理が人気の「シーフードダイニングgyogyo」。日替わり刺身定食が中心のランチをはじめ、今年4月にスタートした夜の部では、函館近海産の活魚介、旬の素材にひと手間加えた海鮮料理を中心に酒に合う一品を提供している。
腕を振るう中村謙仁さんは函館市出身。22歳の時、札幌で和食料理店を経営する従兄に誘われたことが、料理人としての道を進むきっかけに。「それまで飲食店勤務の経験がなく、ゼロから学ぶことになった」と、“親方”と慕う従兄や先輩から厳しくも優しい指導を受けた4年間を振り返る。函館の老舗割烹旅館で10年以上磨き上げた腕を武器に、gyogyoの料理長に就任したのは今年2月。運営する株式会社春木商店の春木日出夫社長の「函館で一番の店にしたい」と言う熱意ある言葉が心に響いたという。店自慢の活イカが目を引く「お刺身の盛り合わせ」(1人前1,500円~※写真は2人前5,000円)は、盛り付けにも趣向を凝らした華やかな一皿。既製品を使わず、培った和の技術に、新しい技法を取り入れた料理の数々は舌の肥えた大人たちを満足させる。常にアンテナを張り巡らせ、道で見かける草木でさえも、料理へのインスピレーションを掻き立てる糧に。「一日の大半は店のことや料理のことを考えています」と語る中村さんの目には、力強さがこもっていた。
(ハコラク 2024年12月号掲載)
seafood dining gyogyo
函館市柳町14-20
☎080-1410-0793
11:00~14:00
17:00~22:30
(各30分前L.O)
ランチは月曜定休、夜の部は火曜定休
禁煙 P有り
キャッシュレス決済利用可