親友との約束から生まれた
心に響く炭焼きコーヒー
豆の産地、焙煎度合い、淹れ方。「コーヒーの世界は無限大」と話すオーナーの八木武志さんが営む「ヤギーズコーヒー」は、炭焼きコーヒーの専門店。1度に安定して焼ける量は300gほどという直火式の手回し焙煎機で、毎日少量ずつ焙煎を積み重ね、「なかなかなやつ」といったユニークな名前のブレンドから高価なハワイコナまで、27種類ものコーヒーを用意。豆の販売はもちろんドリップバッグやオリジナルグッズも豊富に取り揃える。
八木さんが焙煎を始めたきっかけは急逝した親友との約束。「昔自分が淹れたコーヒーがおいしくてもう一度飲みたいと言ってくれたので、もっと勉強して淹れてやると話したのを思い出した」と、当初は焙煎の腕をとにかく磨きたいと材料費の分だけを代金として受け取りコーヒーを提供。「生涯、このコーヒーの価値を高めたい」と2016年から千代台町に店舗を構え、現在の場所に移転し3年が過ぎた。例えば悪い事ばかりが目に付き、どんな言葉も聞こえないような苦しい時、温かなコーヒーの香りで肩の力が抜けることもある。「自分も一杯のコーヒーに救われたことがある。誰かの心に響くような味を届けられたら」とコーヒーに願いを込めて、今日も焙煎機を回している。
(ハコラク 2021年2月号掲載)
Yagies Coffee
函館市柏木町7‐65
☎080‐1886‐9906
11:00~17:00
(16:30L.O)
火曜定休
禁煙 P有り