丁寧な仕事の積み重ねがおいしさの秘訣
気軽に立ち寄りグイッと一杯楽しんで
函館市内の居酒屋で10年以上焼き鳥を担当していた坂常弘亮店主が今年5月に暖簾を掲げた「さかつね」。「焼き鳥と日本酒のおいしい店を持ちたい」と物件を吟味していた時に、磨き込まれた木目の床、吹き抜けの天井、厨房の見えるカウンター、1階と2階の座敷席と「全体の雰囲気に一目惚れして、この場所に決めた」のだと言う。
豚精肉は心持ち大き目に、白レバーはトロリとした食感を、豚タンは歯応えが楽しめるようにと、部位ごとに適したサイズを見極めて切り分け、毎日丁寧に串を打つ。備長炭を隙間なく並べ、炭に落ちる脂で勢いよく上がる炎が肉に直接当たらないよう、絶えずうちわであおいで火を〝いなし〟、旨味を閉じ込めるようにじっくり熱を通した焼き鳥は、香ばしくてジューシー。坂常店主は「焼き鳥についてはいまだ勉強中で、良いと思ったものは柔軟に取り入れています」と話す。日本酒のラインアップにも力を入れ、季節の地酒は常時5本を本日のおすすめに。1本空くごとに違う銘柄を口開けし内容を刷新するので、訪れる度に新しい出合いがあるのが魅力だ。コロナ禍の中での船出で不安もあったと言うが、坂常店主の堅実な仕事が早くも客の心を惹きつけている。
(ハコラク 2020年11月号掲載)
炭火やきとり 酒房さかつね
函館市田家町5‐13
☎0138‐76‐3639
17:00~23:30(23:00L.O)
水曜定休
禁煙 P有り
キャッシュレス決済利用可