丁寧に修繕を繰り返した大正期の洋館で 彩り美しいプレートメニューに舌鼓
ロシア極東大学近く、八幡坂と日和坂の間をつなぐ道路に面した「もみの木ダイニング」は、上品なピンク色の壁と三角屋根、白い窓枠、赤いポストが目印の洋館。1921(大正10)年に建築されて、34年の函館大火を逃れ、93年に佐藤公郎建築設計事務所が建築当時の姿に外壁を修復、94年度に函館市歴史的景観賞受賞、ペンションや雑貨店にと活用されてきた。
函館市内で長年飲食店を営んできた磯部良子オーナーが、この古き良き時代の建物に魅せられ本通から移転したのは、2016年6月のこと。人目を引く愛らしい外観とレトロな内装も、調理からホールまで1人で全てを回せる手頃な規模も、高校時代を過ごした思い出深い西部地区への移転を考えていた磯部オーナーにとって好条件だったという。提供する料理は、たっぷりの野菜で色彩も栄養バランスもきれいに整えられた「もみの木プレート」のみ。手間暇掛けた手作りの優しい味が、女性を中心に人気を集めている。風合いのある木目の腰壁を張り巡らせた白壁と磨き込まれたこげ茶色のテーブルが調和する優しい空間、明るく朗らかな磯部オーナーの笑顔が作り出す空気が心地良く、ついつい長居をしたくなる。
(ハコラク 2019年7月号掲載)
もみの木DINING
函館市元町14‐16 ☎0138‐83‐1955
11:00~16:00(15:00L.O)
※料理がなくなり次第終了
月曜定休(月曜が祝日の場合は営業)
禁煙 P有り