毎日変わる家庭的なおばんざいと
楽しいおしゃべりで安らげる場所
大門地区の電車通り沿いを、あたたかな色の明かりで照らす「小料理WAGAYA」。コンクリート調の壁と天然木の建具のコントラストがモダンでぬくもりある雰囲気を醸し出す店内は、椅子がゆったりと配置されたカウンター席がメイン。市内の飲食店で13年ほど経験を積んだ女将の坂口友香さんが、旬の食材や道産野菜を取り入れた日替わりのおばんざいを手作りし、夫の重行さんと共に切り盛り。定番のつまみや締めのパスタ、カレー、季節のスイーツも用意し、夕食、ちょい飲み、カフェ使いと、さまざまなシーンで我が家のように過ごせる空間を築いている。
和食一筋25年、常に驚きある料理を生み出そうと腕を磨き、休日には道内外の店を食べ歩いては勉強を欠かさない白戸さん。「いい店は料理がおいしいだけでは足りない。ここにはいつもホッとできる家庭的な料理があり、毎回内容が変わるのも楽しみ」と、席に着くと「とりあえず全部」と、その日のおばんざい一通りと生ビール「樽生SORACHI1984」を注文するのがお決まりのスタイル。食べやすく骨を抜いてある「手羽先のてり焼き」や南茅部地区産の白口浜昆布とカツオダシが染みる「ピーマンの揚げびたし」などを、少しずつつまみながら、坂口夫妻と話していると自然と心が安らぐと言い、「2人に会いたくて来ているのも大きいかな」と顔をほころばせる。「ここでは地元の人も観光客も、いろいろな人が一緒に過ごしていて、飲食関係の同業の人にもよく会う。地域に愛されている店だと思う」。リラックスして話す様子に、仕事が終わると深夜でもつい足を伸ばしたくなると語る理由が詰まっていた。
(ハコラク 2025年4月号掲載)
小料理 WAGAYA
函館市松風町5‐12
☎0138‐86‐7008
18:00~翌2:00(1:30L.O)
木・第3日曜定休
禁煙 キャッシュレス決済利用可