秘密基地のような店でグラスを傾けジビエを味わう
金森倉庫群近くにある和洋折衷住宅「箱館カネサ佐々木邸」で、2023年にオープンした「箱館立ち飲みバグ」。長い間空き家だった伝統的建造物を、店主の佐々木康雄代表が購入し、古写真1枚と昔を知る近隣住民の証言をもとに、創建当時の外観に復元した。一際存在感を放つ白いフォルクスワーゲンが置かれた店内には、棚や床に昭和家電やレトロな自転車が所狭しと並び、隠れ家のような空間に大人の遊び心がくすぐられる。
フードは、サクサクのピザや生春巻き、予約制の刺身と材料から吟味した一品料理がずらり。来店客の要望に応えるうちメニューが充実していった。肉と玉ネギを串打ちした「室蘭やきとり」がおすすめで、肉は豚ロースや北斗市の食肉処理施設「MOMIJI」から仕入れる鹿肉などを用意。じっくりと火を通したやわらかな肉にかぶりつくと、口の中にジワリと旨みが染み出す。アルコールは元町の蒸留酒販売会社「ビハインド・ザ・カスク」のウイスキーや、自家製レモンシロップのサワーなどが顔を揃える。こぢんまりとした店だからこそ生まれる触れ合いも魅力で、佐々木代表を交えて会話に興じつつ、粋に一杯いただきたい。
(ハコラク 2025年3月号掲載)
箱館立ち飲み バグ
函館市末広町15‐6
☎080‐5583‐5416
18:00~22:00
不定休 禁煙