長流江戸打ち〟の技で城下町に飛び切りの味を
江戸時代、日本最北の城下町として栄えた松前町。「手打そばおぐら」は、かつて北の小京都とも称された町並みの再興を目指し、町屋造りに建物の外観が統一された城下通りの完成に合わせ、2006年にオープン。地域の人に質の高いそばを提供しようと、札幌市の手打ちそば店で修業した小倉行雄店主が立ち上げた。
小倉店主が身に付けたのは〝長流江戸打ち〟と呼ばれる江戸時代から伝わるそば打ち技法。そば粉を練り上げ生地から空気を抜く工程に独特の技があり、コシの出方が一味違うという。そば粉は北海道の中でも昼夜の寒暖差が大きい道北に産地を限定し、その時期のそばの状態に合わせ、道産小麦「キタホナミ」を合わせた九割そばから新そばを使う十割そばまで、日々配合を変えて味を追及。しっかりと旨みを感じてもらうため、やや太めに打っている。つゆは再仕込みしょう油を使い60日間かめで熟成させまろやかになったかえしと、本ガツオなど、3種類の削り節に、さらに花ガツオを加えたダシを配合。そばをすすれば芳醇なダシの香りと濃厚なそばの風味が一体となり、思わず笑みがこぼれる。
(ハコラク 2024年10月号掲載)
手打そば おぐら
松前町松城60
☎0139‐42‐2128
11:00~15:00L.O
水・木曜定休 (ほか不定休あり)
禁煙 P有り